08.11.16

日本独自の美意識、侘び寂び。
 さて、この話を私のような若輩(20代前半です)が述べることは、大変おこがましいと思うでしょうか。私はそうは思わないので、好き勝手に述べます。(笑)

 美について。
まず、私が耽美的な性質をもつ人間であること。私は美しいものが好きなのです。
だからいつも考えていることは美しさとは何かということ。意識的にせよ、無意識的にせよ。
ここでいうのは、綺麗とかキレイではなく、本物の美しさについてです。
 「美しさ」について、批評することは難しいと思います。なぜなら、それは一見抽象的な概念であり、人によって捉え方も解釈も異なるからです。

 でも、世界中の誰もが美しいと思うモノは存在するでしょう。
たとえば芸術や音楽といった文化遺産です。
ミロのヴィーナスや、バッハのマタイ受難曲など、いろいろあります。
それは人類の宝でもあります。もしこれらを美しいと感じない人がいるとしたら、それはその人の心のあり方、感じ方に問題があるのだと私は断言しますが、つまり美とは、人間の心を揺さぶるものであると思います。
 美はいたるところにあるのかもしれない。それを感じる心のセンサーをどれだけ練磨させることができるかが、人のもつ美意識を高めることでもあります。

 だけど美はあらゆるものに見出せるといっても、やはり美のランク…のようなものは確かに存在すると思う。人間にもいろいろなものがあるように。 いくら小さな美しさに気づく感性があっても、高いところに美意識を持っていこうと思ったら、やっぱり「本物」に触れるしかない。イミテーションじゃダメなんです。

 これは、特に骨董いじりを通して実感したことなんだけど…(笑)

 さて、日本人の美意識について。
経済的にも、文化的にも、ずいぶんと世の中が嘆かれて久しいわが日本ですが、それでも日本人独特の「美を感じる領分」というのがあると思います。
 たとえば骨董(焼き物)の話で恐縮ですが、中国モノや伊万里の染付け模様には、誰が見ても豪華絢爛の見事な美しさがある。その色づかいたるや、カラフルでもってきらびやかである。
でも私が好きな唐津や李朝の焼き物は、どうも西洋人に限らず、アジア隣国の方にも理解されにくいようです。ひょっとしたら、女の人にも少しばかり理解されにくいかもしれない…。
 これは利休から続いている茶人趣味というか、「侘び寂び」というものなのでしょうが。

 侘び・寂び、とは侘しい・寂しい、の略称です。
ここで私はお茶を飲みながら「ハァ〜一期一会。」なんで言うつもりはありません。(笑)
お茶はわからないし、そんな言葉を何度口にしてもお題目や念仏と同じで、観念だけでは言葉は自分のものにはならないからです。
私がいま手にしている唐津と李朝の白磁は、ほとんど絵付けはなく素朴なものです。素焼きの陶器にサラッと釉薬を掛けたようなものだ。でもね、その土肌の風合いとか、置いたときの姿が実にイイんですよ。
静かだけれども、力強いといったらいいのか。存在感がある。
どこかトロンとしたような可愛さがある。実に魅力的なんです。いやー本当に飽きないなぁ。

 …と、こんな変態的な世界を人に説明しても伝わることは滅多にナイんですが。
もう少しこれらの唐津とか、李朝の焼き物を理解したくて、毎日眺めたり、手にとって撫でてみたり、文献で歴史を調べてみたりすると、やがて見えてくるものがある。
 「モノは何も言わないけれど、魂がある。」というのはオカルトでしょうか。
もの言わないモノだから、人の心が投影されるのかもしれない。無表情な爬虫類をペットとして溺愛している人は、これに近いと思う。
でも、貧困の中で生活していた朝鮮陶工の姿と、土と炎の芸術作品には魂を感じますよ。

 そんな骨董ですが、陶磁器だから常に割れてしまう危うさがあるわけです。
実際に割れてしまうことも多いんですが、割れた茶碗を金で継いで補修したり、その陶片を愛玩するというのは、さすがに日本人くらいなのだそうです。
私にとっては、あるモノがあまりにも愛しくて愛しくて、それが割れちゃったらあまりにも可哀相で可哀相で。たとえ陶片になっても、いとおしくって、毎日眺めているとそこから景色が見えてくるんですよ。陶片でもいろいろ教えてくれるんですヨ。という極致。
 なんだかよくわからないものに美を見出だしてしまうのが、茶人の大成した文化なのかも。利休が死んで茶の湯は廃れたとしても、彼が大成した侘び寂びの情念が「日本の伝統」としてわれわれの美意識に残っているんですよね。


 まぁ、私は茶の作法などには不案内だし、普通にこれでご飯を食べたり番茶を飲んでいる者だけど…。お寺の茶会で足がしびれたら、ほふく前進だってしちゃうぜ。(笑)
いやいや、冗談ですって。。


アデウ。




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