峠の走り方。クネクネした道を安全に楽しむために。 はじめに、このタイトルから走り屋向けのドライビング・テクニックを期待しないようにお願いしておきます。その手の知識はチューニング系雑誌から得ることができますし、まったく同じ内容の情報はネット上にもごろごろ転がっていますので。 私は群馬県の自然に恵まれた環境で育ちました。 (イニシャルDの舞台である赤城山にも近いです。) うまく林道をつなげて走れば、200kmくらい信号なしでドライブできます。 とにかく山河に囲まれた地域ですから、どうしても狭かったりクネクネした道を多く走らなくてはいけません。 (教習所では「特別教習」といって、近場の山を走る時間があります。群馬だけでしょうか?) しかしながら、群馬県のドライバーは運転上手ではなく、むしろ運転マナーは悪いと言えるでしょう。これは事故が多いことでも有名です。 だいたい言葉遣いも悪い。関西の人が私たちの会話を聞いたら、喧嘩しているんじゃないかと思われるくらいだ。私はそんな県民性の負の部分がイヤで、「〜だんべ?」とか語調の強くなる言葉はなるべく使わないようにしています…。かかあ天下なんて嫌いだね、私は。 (全てじゃないが、キレるとすんげぇ言葉遣いの女性も多いですし…) さて、私はクネクネした道を走るのが楽しいと思っている人間ですが、同じ趣味を持つ方、もしくはあらゆる路面状況で安定した運転できるようになりたい方、群馬県を観光したいけれど山坂道が心配…という方たちへ参考にしてもらいたいと思います。 1.見えないところに道はない。 日本の山坂道は狭くて、カーブも多く、霧が出やすく、路面が荒れていることがほとんどです。カーブの先が見えないブラインド・コーナーでは、その先に工事現場があったり、山菜取りのおじさんがいたり、水汲みのおばちゃんがいたり、でっかい鹿がいることもしばしばです。 路面陥没や落石もあります。バカな対向車が斜線をはみ出して来ます。 台風で誰もいないと思ってドライブしていたら、ドシャ降りのカーブの先で花束を添えている人に遭遇したことがあります。 要するに、1秒後には何が起きるかわからない道だから、先の見えないカーブに特攻するのは非常に危険なのです。 2.クルマの準備でできること。 道路状況の9割を目で判断するため、視界の確保はとても大事です。 シートバックは立て気味にし、ハンドルを左右どちらにもしっかり切れるように調整します。ペダル操作が多少窮屈になっても、ハンドルを優先した方が良いと思います。また、荷物が転がってしまわないように固定したり、余計なものを車内に置かないようにします。 また、右カーブでAピラー(支柱)が視界を遮るクルマは、私に言わせれば設計ミスな車です。ピラーはなるべく細く、立て気味のクルマが良いでしょう。 (この辺、スバル車はよく考えていると思う。あのデザインはともかく…) 雨の夜は、ヘッドライトがまるで役に立ちません。 フォグランプは必要です。ただし、晴れた日にフォグをつけるとまぶしいのでやめましょう。何の意味かわからずに、たまに後ろのフォグを付けている人がいて迷惑です。 3.スムーズに走る。 山道は路面が荒れていたり、うねっているので、ブレーキやハンドル操作などは「カクッ」と「急」に行わないこと。姿勢を乱さないよう「じわーっ」とスムーズに。 前後左右の4つのタイヤにスムーズな重心移動を心がけること。 よくラインどりは、アウト⇒イン⇒アウトといわれますが、サーキットじゃないのだから忘れても結構です。山道では「路面として使えるゾーン」と「対向車」を意識しながら、できる範囲できれいな走行ラインをとります。全部インベタのときもあるし、アウト気味に走ることもあるでしょう。 最も大事なのは『スロー・イン・ファスト・アウト』です。 事故を起さないためには、まず安全な速度まで、確実にブレーキで減速することなのです。 私は、ゆるい下りのカーブでスピードを十分に殺しきらないまま路肩の砂利にのって、ズルーン!とスリップ事故をしてしまったこともあります。(顔を十針縫って廃車) カーブの出口が確認できてから初めて、クルマの姿勢を乱さないようアクセルを「ぐーっっ」と踏んでいきます。 4.黒いもの、白いもの、光るもの、動くもの。 山道はガードレールやカーブミラーの角度から、対向車や曲がり具合をある程度予測できます。 周りの風景より黒いもの、白いもの、光るもの、動くものがあったらすぐに減速して警戒しましょう(カーブミラーの中の景色も同様に) 湧き水が道路を横切っていたり、何かの破片が落ちていたり、穴が開いていたり、イタチが横切るかもしれません。 橋の継ぎ目の金属も滑ります。トンネルや橋のたもとに人影があることもあります。(そりゃ幽霊だ!笑) とにかく、風景と少しでも違和感があるものは要注意です。 また、路肩の側溝にフタがないことは多いですし、生い茂った草で溝が隠れていることもあります。 5.事故の起きるポイントは決まっている。 事故が起きやすいポイントは、一見見通しが良かったりして判別がつきにくいです。しかし、事故の多発地点には大抵、標識で注意が促されたりブレーキ痕が残っていたり、そこだけガードレールが新しくなっています。 見た目以上に奥がきつくなっているカーブもあります。 そのあたりは走ってみなければわかりませんが、自分のセンサー(第6感)を信じて良いと思います。少しでも「何か嫌だな・・」と感じたら、速度を落とすことが大切です。 私も何故ブレーキをかけたのか、そのときは自分でもわかりませんでしたが、スルスルとカーブに入っていったら、急にきつい勾配になっていたりして、命拾いしたことが何度かあります。 以上、いつもドライブしながら気をつけていることを書きました。 改めて見てみると、つくづく山道は危ないと思います。 漫画の影響でロマンティックな幻想を抱く気持ちもわからなくないですが、クルマは物理法則のカタマリですから、それ以上の無茶をしないようにしてください。間違えてもタイヤを滑らせようなんて考えないことです。 |
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